“やんばるの森”ついに世界自然遺産へ
2021年7月26日(月)に「奄美大島、徳之島、沖縄本島北部及び西表島」は、世界自然遺産として登録されました。温暖・多湿な亜熱帯気候のこのエリアは、アマミノクロウサギやイリオモテヤマネコ、ヤンバルクイナなど、それぞれの島にしか生息していない固有種も多く、生物多様性に富んだ魅力的な自然が広がっています。
多様な生命が息づく大自然“やんばるの森”
オクマが位置する沖縄本島北部地域。
「山々が連なり、森が広がる地域」を意味する“やんばる(山原)”と称されるこのエリアは、多様な自然環境を有する、まさに亜熱帯のジャングルです。
上から見るとまるでブロッコリーのような形状をしたイタジイの木が森のおよそ70%を占め、森の中には1億年前から生息する巨大なシダ植物ヒカゲヘゴなど多種多様な植物が茂っています。またその豊かな緑が育む森には、ヤンバルクイナやノグチゲラといった固有種や希少な生物が多数生息しています。
世界中の同緯度地域にこれだけ多種多様な動植物が生息するエリアは珍しく、“やんばるの森”は、その存在自体が価値のある「奇跡の森」とも呼ばれています。
世界的にも貴重な「奇跡の森」に足を踏み入れれば、希少な動植物との出会いが皆さまを待ち受けています。
ユーラシア大陸から離れ、豊かな自然の中で独自の進化を遂げた固有種が数多く生息する奇跡の森“やんばる”。
一歩“やんばるの森”に踏み入れば、ここにしか棲んでいない固有種や珍しい生き物との奇跡のような出会いが待っています。
そんな自然豊かな“やんばるの森”に棲む動植物に会いに行きましょう。
ヤンバルクイナ
ヤンバルクイナ
レア度
コバノミヤマノボタン
コバノミヤマノボタン
レア度
オキナワイシカワガエル
オキナワイシカワガエル
レア度
イタジイ
イタジイ
レア度
イタジイ(スダジイ)
やんばるの森の約70%を占めるブナ科の植物。秋に実るドングリの実は、やんばるの生き物たちの大事な食料となっています。
レア度 | ★☆☆☆☆ |
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全長 | 約15~20m |
分布 | 奄美~沖縄 |
リュウキュウアオバズク
リュウキュウアオバズク
レア度
リュウキュウアオバズク
日本列島では夏に見ることができるアオバズクの仲間です。奄美大島より南に生息するフクロウで、黒目の周りは黄色く、夜行性です。
レア度 | ★★★☆☆ |
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全長 | 約29㎝ |
分布 | 奄美~沖縄 |
リュウキュウヤマガメ
リュウキュウヤマガメ
レア度
ハナサキガエル
ハナサキガエル
レア度
ノグチゲラ
ノグチゲラ
レア度
ホントウアカヒゲ
ホントウアカヒゲ
レア度
ヒカゲヘゴ
ヒカゲヘゴ
レア度
コモウセンゴケ
コモウセンゴケ
レア度
リュウキュウアカショウビン
リュウキュウアカショウビン
レア度
ケナガネズミ
ケナガネズミ
レア度
ナミエガエル
ナミエガエル
レア度
オキナワセッコク
オキナワセッコク
レア度
ヤンバルテナガコガネ
ヤンバルテナガコガネ
レア度
ミズスギ
ミズスギ
レア度
クワズイモ
クワズイモ
レア度
リュウキュウアセビ
リュウキュウアセビ
レア度
オキナワトゲネズミ
オキナワトゲネズミ
レア度
オキナワトゲネズミ
絶滅が心配されたやんばるの固有種(2008年、30年振りに生息確認)で、ピョンピョンとジャンプして移動するのが特徴です。
レア度 | ★★★★★ |
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全長 | 約14㎝ |
分布 | やんばる |
多種多様な生き物が生息し、独自の生態系を有する“やんばるの森”。
この貴重な動植物と共に生き、本来の姿を守るため、様々な保全活動が行われています。
島という環境の中で独自の生態系をつくりあげている“やんばるの森”。その分、外来種の侵入や環境の変化にとても弱く、非常にデリケートな自然です。外来種の種などがついたまま森へ入ると、種が成長し、本来の自然の姿を変えてしまう可能性があるため、森への入り口には「靴底の土を落とす」ためのマットが用意されています。
赤いリボンの下には、マングースを捕獲するための罠が仕掛けられています。かつて、ハブや毒ヘビの駆除の目的で沖縄に持ち込まれたマングースが繁殖を繰り返し、ヤンバルクイナなど希少生物の生活を脅かしてきました。その希少生物を守るため、地域住民や行政の長年の努力の結果、沖縄本島北部やんばるエリアでのマングースの数は激減し、希少生物の数は回復しました。現在も、マングース完全駆除に向けて取り組んでいます。
沖縄本島北部エリアの道路は、生き物を守るため様々な工夫がなされています。生き物が道路脇から山側に登り易いスロープ付きの側溝や、道路を横断せずに往来ができるよう道路下に設置された生き物用トンネルなど、生き物と共存する道づくりに取組んでいます。
希少な生物たちの居住エリアに隣接する道路では、生き物が飛び出してきても避けられるスピードで自然に優しいドライブを。道路には「STOP Road Kill」の標識や看板が随所にあり、ドライバーに注意喚起を行っています。また、ケガをした生き物を見かけた際は、緊急連絡先へ連絡を。 助かる可能性のある命の救済にも力を注いでいます。
◆ケガをしている、死んでいる生き物を見かけたら下記にご連絡を◆
■ケガ・死んでいる生き物を見かけた場合 > やんばる野生生物保護センター【ウフギー自然館】:0980-50-1025(8:30~17:15)
■ケガをしている生き物を見かけた場合 > クイナダイヤル【NPO法人どうぶつたちの病院沖縄】:090-6857-8917(24時間対応)
知らなければ通り過ぎてしまう希少な植物や、聴こえてくるヤンバルクイナの鳴き声。
オクマのツアーガイドと一緒なら、“やんばるの森”の魅力を見逃すことはありません。ガイドとともに行く“やんばるの森”は、自分たちだけでは発見できない魅力に出会えます。
“やんばるの森”の魅力を存分に体感するなら、ガイドと一緒に行くのがおすすめです。
“やんばるの森”を熟知し、満足度が高いツアーを提供できる証「公認ガイド」。「公認ガイド」は、“やんばる”で2年以上のガイド経験を経て、さらに講習や試験に受かる必要があります。
また、他の公認ガイドの推薦などの厳しい条件があり、安心・安全なツアーを提供するのはもちろんのこと、“やんばるの森”の魅力を最大限に伝えることができます。
一緒に“やんばる”の自然を楽しみましょう
私は、多種多様な生き物が生息し、珍しい固有の生き物や植物を多く見ることができる“やんばる”の自然に魅了されて、沖縄に移住してきました。
やんばるの固有種として有名なヤンバルクイナは、とても不思議で特徴的な鳴き方をします。ツアーでもその鳴き声が聴こえてくることがあります。
ぜひ一緒にヤンバルクイナの鳴き声を聴きに出かけましょう。
得意分野 | 植物、鳥類、爬虫類、両生類 |
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おすすめツアー | やんばるの森探検ツアー |
魅力ある“やんばる”の自然を紹介します
やんばる出身の大山です。やんばるの森は、固有種や珍しい植物がたくさん生息し、とても面白いところです。
特にジャングルを彷彿とさせるヒカゲヘゴは、太古から変わらない姿でやんばるに生きています。ぜひ、珍しい、面白い植物を見に、やんばる森を一緒に歩きましょう。
得意分野 | 植物、爬虫類、星 |
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おすすめツアー | 美ら星ウォッチング |
“やんばる”でお待ちしております
やんばる森には、日本で見ることのできるカエルの約4分の1が棲んでいます。また、本州で見ることができるカエルと同じ種は1種類だけで、固有種の割合が多いのも特徴です。
カエルは、同じ種類でも個体によって体の色が違ったり、模様が様々だったりと個性豊かです。時には、夜行性のカエルに日中出会うと寝ぼけていることもあります。
たくさんの生き物が棲むやんばるの森で、個性的な生き物たちとの出会いを楽しみましょう。
得意分野 | 爬虫類、両生類、水生生物 |
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おすすめツアー | 夜の生き物探索ツアー |